動画を作ったものの、次に何を直せばいいのか分からない。そんな停滞感を抱えている担当者は少なくありません。公開してしばらく数字を眺めても、伸びない理由が見えてこない。改善のヒントを探して同業他社の事例を追いかけても、自社の商材やターゲットに当てはまるとは限りません。こういうときこそ、勘や社内の好みで判断するのをやめて、動画そのものに答えを聞く方法が有効です。それがA/Bテストです。
A/Bテストとは何か
A/Bテストとは、2つの案を同時に出して反応を比べる検証方法です。片方だけを出して結果を見るのではなく、同じタイミングで並行して配信し、どちらが目的に近づいたかを数字で判断します。この方法の一番の価値は、社内の誰かの好みや経験則で決めていた部分を、実際の視聴者の反応に置き換えられる点にあります。担当者の勘が外れることは珍しくありませんし、上司の好みで採用した案が必ずしも成果につながるとは限りません。A/Bテストを挟むことで、そうした判断の不確実さを減らせる傾向があります。
動画で試しやすい要素
動画広告やLP動画で比較しやすい要素はいくつかあります。まずサムネイル画像です。人物の表情やテキストの入れ方だけでも印象は変わります。次に冒頭3秒の入り方で、結論から入るか問いかけから入るかで反応が変わる例もあります。タイトルやテロップの言い回しも比較対象になりますし、尺の長短、そしてCTAの位置と表現も見逃せません。ボタンの文言を「詳しくはこちら」にするか「今すぐ相談する」にするかだけでも、反応の傾向が変わることがあります。
まず冒頭とサムネイルから始める理由
いろいろ試したくなりますが、最初に手をつけるべきはサムネイルと冒頭3秒です。理由は単純で、そもそも見られるかどうかがここで決まるからです。中身がどれだけ良くても、サムネイルで止まらなければ再生されず、冒頭で離脱されれば本編は届きません。入口の改善は効きが大きい部分なので、限られた工数で試すならここから着手する方が合理的です。あわせて守りたいのが基本ルールです。一度に変えるのは1要素だけにし、同じ期間・同じ配信条件で比べ、十分な表示回数がたまるまでは判断を保留してください。複数を同時に動かすと、何が効いたのか後から分からなくなります。
見るべき指標を目的から決める
指標は目的から逆算して決めます。認知が目的なら再生数と視聴維持率、検討段階を後押ししたいなら視聴完了率とクリック率、獲得が目的なら申込や問い合わせの件数を見ます。目的を決めずに指標を追うと、再生数は伸びたのに問い合わせは増えていない、といったズレに気づけません。あわせて視聴維持率のグラフも確認しましょう。グラフが落ちる位置に原因が表れます。冒頭で落ち込んでいれば入り方の問題、中盤で落ちているなら間延びが疑われる、というように読み解けます。
社内での回し方と外注時の注意
テストは一度きりで終わらせず、結果を記録して型として貯めていくことが大切です。負けた案も無駄ではなく、次に活かせる知見になります。判断の場面では少数の声よりも数字を優先する姿勢を社内で共有しておくと、後戻りしにくくなります。外注する場合は、最初からA/Bテスト用に2パターン書き出してもらうと、追加撮影なしで安く済むことが多いです。よくある失敗は、複数箇所を同時に変えて何が効いたか分からなくなることと、数日だけの結果で判断してしまうことです。焦らず条件を揃えて検証を重ねてください。
動画のA/Bテストの始め方や、自社の動画でどこから手をつけるべきかお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。
