セミナーを収録したのに、そのまま置いてあるだけになっている。そんな心当たり、広報担当の方なら一度はあるのではないでしょうか。撮った、編集して社内に共有した、それで満足して終わり。ハードディスクの中で静かに眠っている収録データ、実は御社にとってかなりもったいない資産です。
映像は「探せない資産」になっている
映像そのものは資産です。ただし、中で誰が何を話したかは検索に引っかかりません。社内の誰かが「あのセミナーで登壇者が言っていた、あの話」を探そうとしても、動画ファイルを頭から再生して聞き直すしかない。これは資産ではなく、ただのデータです。
文字にして初めて、検索できるようになります。テキストになれば社内検索でヒットしますし、ブログ記事にすれば外部からの検索でもヒットします。映像を「見つけてもらえる状態」に変える最初の一歩が、文字起こしなのです。
文字起こしの作り方
まず自動文字起こしツールで下書きを作ります。ここまでは数分の作業です。ただし、自動文字起こしはあくまで下書きだと考えてください。人が必ず目を通して直す前提で使うものです。
特に注意したいのが固有名詞と数字と社名です。会社名や製品名、登壇者の肩書き、売上や成長率といった数字は、誤変換されていても文章として不自然に見えないことがあります。ここだけは必ず人が原稿や台本と突き合わせて確認してください。
そのうえで、話し言葉のまま残すか整えるかは、用途で決めます。議事録なら話し言葉のニュアンスを残したほうがいい場面もありますし、記事化するなら読みやすく整える必要があります。同じ文字起こしでも、目的によって仕上げ方は変えるべきものです。
5つの活用先
文字起こしができれば、使い道は一つではありません。
- ブログ記事化。見出しを立てて話の流れを再構成すれば、立派な記事になります。
- 営業資料やFAQの元ネタ。登壇者が答えた質問はそのままよくある質問集の候補です。
- 字幕データ。文字起こしをベースに整えれば、動画への字幕付けが早くなります。
- 社内の議事録・ナレッジ。対談やセミナーで出た知見を、部署をまたいで共有できる形に残せます。
- 動画の説明文とチャプター。文字起こしを読み返せば、話題の切り替わり位置が把握でき、視聴者が飛ばし見できるチャプターを作れます。
一度の収録から、これだけの成果物が生まれます。
記事化のコツ
文字起こしをそのまま貼り付けても、記事にはなりません。話し言葉には「えー」「そうですね」といった言葉や、同じ内容を言い換えて繰り返す冗長さがつきものです。まずこれを削ります。
次に、話の順番を並べ替えます。セミナーや対談は、話しやすい順で進みますが、読みやすい順とは限りません。結論を先に出す、背景を後にまとめるなど、読者にとって理解しやすい構成に組み直します。
そして、図や引用を使って読ませる工夫を加えます。数字が出てきた部分は図にする、印象的な発言はそのまま引用として抜き出すなど、文章だけで押し切らないことが読みやすさにつながります。
公開前の確認と社内の運用
記事化する前に、登壇者本人へ内容確認を取ってください。話した内容がそのまま公開されることに抵抗がある方もいますし、言い回しを直したい場合もあります。
オフレコで話された部分は当然、記事にもFAQにも使いません。文字起こしの原稿自体は社内資料として保管し、公開用の原稿からは削除しておきます。
外部の講師を招いた場合は特に注意が必要です。収録した映像や発言内容を記事や資料に二次利用してよいかどうかは、契約段階で確認しておくべき事項です。事後に確認すると、トラブルの原因になります。
社内の運用としては、収録したその日のうちに文字起こしまでを一つのセットとして終わらせる仕組みをおすすめします。時間が経つと優先順位が下がり、結局手つかずのまま忘れられてしまうからです。保管場所とファイル名の付け方も、あらかじめ社内でルールを決めておくと、後から探すときに困りません。
失敗例として多いのが、自動文字起こしをそのまま公開してしまい、誤変換だらけの記事になってしまうケースです。もう一つは、講師の許可を取らずに記事化してしまい、後からトラブルになるケースです。どちらも、ひと手間の確認を惜しんだことが原因です。
収録した映像を眠らせたままにしていませんか。文字起こしから記事化、資料化まで、まとめてご相談いただけます。お気軽にお問い合わせください。
