「空撮を入れたいけれど、許可や法律まわりがよく分からず、結局今回も見送ってしまった」。制作担当者からこの相談を受けることが増えました。ドローンは映像のクオリティを一段引き上げてくれる手段ですが、飛ばすには法律上のルールがあり、知らないまま発注すると撮影当日になって「実は飛ばせません」という事態にもなりかねません。今回は、発注する立場として最低限押さえておきたい許可・申請・当日の段取りを整理します。
飛ばせる場所と飛ばせない場所がある
ドローンはどこでも自由に飛ばせるわけではありません。人口集中地区の上空、空港周辺、多数の人が集まるイベントの上空、夜間の飛行、操縦者から機体が見えない状態での飛行(目視外飛行)などは、許可や承認が必要になる場合があります。撮影したい場所やシチュエーションによって必要な手続きが変わってくるため、企画の早い段階で「この撮影は許可が要るのか」を確認しておくことが重要です。
なお、この分野は制度の見直しが続いている領域です。本記事の内容も目安としてご参考いただき、最新の要件は国土交通省の公式情報、または実際に撮影を行う事業者に必ず確認するようにしてください。
国家資格があれば全部飛ばせる、わけではない
近年、無人航空機操縦者技能証明という国家資格が始まり、資格を持つ操縦者が増えています。ただし、資格があるからといってどんな場所でも自由に飛ばせるわけではない、という点は発注側としてぜひ知っておいてください。資格の有無に加えて、機体の登録や保険、飛行させる場所ごとの許可・承認など、複数の条件が揃って初めて飛行が可能になります。業者選びの際は「資格を持っているか」だけでなく、「この撮影内容に必要な手続きを把握しているか」まで確認すると安心です。
撮影日から逆算した準備が欠かせません
許可や承認の申請には一定の日数がかかります。撮影日を先に決めてから慌てて申請しても間に合わないことがあり、実際に「申請が間に合わず、結局その回は空撮なしで納品した」という失敗例は珍しくありません。空撮を入れたい撮影があれば、企画が固まった段階でできるだけ早く業者に相談し、必要な手続きと日数を確認したうえで撮影日を組むようにしてください。直前の依頼は、空撮そのものを諦める結果につながりやすい点にご注意ください。
発注時に業者へ確認しておきたいこと
見積もりや打ち合わせの段階で、以下は確認しておくと安心です。
- 賠償責任保険に加入しているか
- これまでの飛行実績(撮影場所や規模の傾向)
- 当日の中止判断基準(誰が、何を基準に判断するか)
また、法令上の許可とは別に、私有地や施設で撮影する場合はその管理者の許可も必要です。近隣に住宅や通行人がいる場所では、事前の周知や当日の安全確保のための人員配置も欠かせません。費用の内訳も、機体と操縦者の費用だけでなく、申請代行や安全確保の補助者にかかる人件費まで含めて見積もりを確認しておくと、後から想定外の追加費用が発生しにくくなります。
天候による中止と予備日の設定
ドローンは風速や雨天の影響を受けやすく、当日の天候によっては安全のため飛行を中止する判断が必要になります。「予備日を取っていなかったため、当日強風で撮影できず空撮が丸ごとなくなった」というのも起こりやすい失敗です。空撮を予定に組み込む際は、風速や雨天時の中止基準をあらかじめ業者とすり合わせ、予備日も一緒に確保しておくことをおすすめします。
ドローン空撮は、許可・申請・当日の安全確保まで含めて準備することで初めて安心して任せられるものになります。「この企画で空撮は可能か」「どのくらい前から準備すればよいか」といったご相談だけでも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。
