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動画制作2026.03.15 · 3 min

ナレーション原稿の書き方2026|読まれて心地よい言葉に整えるコツと尺の計算

ナレーション原稿の書き方を2026年版で解説。話し言葉への開き方、1分300字前後の尺計算、同音異義語の罠、間の設計と音読での推敲を紹介します。

ナレーション原稿の書き方2026|読まれて心地よい言葉に整えるコツと尺の計算

会社案内の文章をそのままナレーターさんに渡したら、「ちょっと読みにくいです」と言われてしまった。映像制作の現場では、実はよくある話です。パンフレットや資料の文章は、目で読むために書かれています。ところがナレーションは耳で聞く言葉です。この違いに気づかないまま原稿を作ると、意味は正しくても、なぜか耳に残らない仕上がりになってしまいます。

書き言葉と話し言葉は別物と心得る

まず意識したいのは、漢語を和語に開くことです。「実施する」は「行う」「おこなう」に、「当社」は「私たち」に、といった具合に、目で見れば理解できても耳で聞くと硬い言葉を、話し言葉に近づけていきます。あわせて、一文はできるだけ短く区切りましょう。読点でつないだ長い文は、目では追えても耳では途中で意味を見失います。一文一情報を意識するだけで、聞き取りやすさは大きく変わります。

尺から文字数を逆算する

ナレーション原稿でもうひとつ大切なのが、尺(映像の再生時間)と文字数の関係です。日本語のナレーションは、1分あたり概ね300字前後が聞き取りやすい目安とされています。90秒の映像なら450字程度、30秒のCMなら150字程度が基準になります。

原稿を書くときは、先に文章量を決めてから当てはめるのではなく、映像の尺から逆算して文字数を決めるのが基本です。伝えたいことが多いからといって文字数を詰め込むと、ナレーターに早口で読むよう指示せざるを得なくなり、結果としてすべての情報が伝わりにくくなります。実際、原稿が長すぎて現場で「もっと速く読んでください」と頼み、聞き手に何も残らなかったという失敗はよくあります。伝える内容を絞り込む勇気も、原稿づくりの一部です。

耳だけで伝わる言葉を選ぶ

原稿は目で読み返せますが、ナレーションは一度きりで聞き手の耳を通過します。だからこそ、同音異義語には注意が必要です。「市立」と「私立」、「科学」と「化学」のように、文字を見れば区別できても音で聞くと混同する言葉は、言い換えるか説明を添えましょう。

数字や固有名詞も要注意です。「第1回」なのか「だいいっかい」と読ませたいのか、地名や社名の読みが複数あり得る場合は、原稿にふりがなを添えておきます。英略語も同様で、「DX」「KPI」といった言葉は、聞き手が全員知っているとは限りません。初出時に「デジタルトランスフォーメーション、DX」のように補足を入れると親切です。

「間」を設計し、声に出して確認する

映像には、あえてナレーションを止めるべき見せ場があります。美しい風景や印象的な表情のカットに言葉を重ね続けると、映像の力を消してしまいます。原稿の段階で句読点と改行を使い、どこで間を取ってほしいかをナレーターに伝えておきましょう。

原稿ができたら、必ず声に出して読んでみてください。黙読では自然に見えても、音読すると言い回しに引っかかったり、息継ぎの位置が難しかったりすることがあります。あわせて実際にストップウォッチで時間を計り、想定の尺に収まっているかも確認しましょう。この一手間が、現場での早口読みを防いでくれます。

引き継ぎとトーンの統一

原稿をナレーターやAI音声に渡す際は、読み仮名、アクセントの指定、強調してほしい箇所を明記しておくと、意図した通りに読んでもらいやすくなります。「ここは少し間を空けて」「ここは強めに」といったメモを添えるのも有効です。

最後にトーンの統一も忘れずに。丁寧にしようとするあまり敬語を連続させると、かえって聞きづらい原稿になります。全体のトーンを一定に保ち、丁寧さと聞きやすさのバランスを意識しましょう。

ナレーション原稿は、書いた文章がそのまま声になって届く、特別な文章です。今回のポイントを押さえるだけでも、現場での読みやすさは大きく変わります。原稿の書き方や尺の設計に不安がある方は、お気軽にお問い合わせください。